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特集記事  2007/12/01

どうして
メタボリックシンドロームは悪いのか?!


 生活のアンバランスと外部的要因を含めて発症してくるといわれているメタボリックシンドローム。放置しておくと、大変なことになりかねない。検診を受け、早期対応の重要性が指摘されている。

● なぜ、今メタボなのか?

 平成19年から、天山病院でもCTスキャンで内臓脂肪の測定ができるようになりました。また「動脈硬化検査」を導入し、血管の硬さや詰まり具合、血管年齢も測定できるようになり、本格的にメタボ対策に取り組んでいます。
「内臓に脂肪を溜めると、悪玉物質が出てきて動脈硬化が進行し血管がつまる」というのがメタボの基本概念です。どうやらこれは本当のようです。実際、CTで内臓脂肪が蓄積している人は、すでに動脈が硬くなっていることが多いのです。逆に皮下脂肪が蓄積していて内臓脂肪が少ない人は、太っている割に血管年齢が若いのです。(図1)


 図1/CT画像
 
 一番の問題は、動脈硬化はかなり進行しても自覚症状がないため、内臓脂肪を減らせば改善の余地があるのに、そのまま放置することが圧倒的に多いことです。

● メタボの診断基準は?

 まず、内臓に脂肪が蓄積していることが必須です(表1)。ウエスト周囲径が男性85p以上、女性90p以上で内臓脂肪蓄積と判断します。さらに脂質・血圧・血糖のうち二つ以上が異常であればメタボリックシンドローム、一つが異常なものは予備群と定義されています。メタボの恐ろしさは、一つ一つの異常の程度が軽くても、内臓脂肪の蓄積と重なると知らないうちにゆっくりと動脈硬化が進行してしまうことです。内臓脂肪が蓄積していて、最大血圧≧130であればもう予備群なのです。

表1/メタボリックシンドロームの診断基準

必須項目

ウエスト周囲径
男≧85cm/女≧90cm
○内臓脂肪面積≧100cm2 に相当(CTスキャンでの測定を推奨)


追加項目
(2項目以上)
脂質異常 中性脂肪 ≧150mg/dl かつ/または HDLコレステロール <40mg/dl
高血圧 収縮期血圧 ≧130mmHg  かつ/または拡張期血圧 ≧85mmHg
高血糖 空腹時血糖 ≧110mg/dl

 2008年4月より、メタボ対策に重点を置いた新しい健診が実施されます。健診を受け、万が一メタボ群や予備群と診断されたら「動脈硬化が進んでいますよ」という警告だと受け止め、すぐに治療を開始し、きれいな血管を取り戻すことを勧めます。

● メタボ対策の意義は?

 厚生労働省が平成19年5月に発表した平成17年の国民健康・栄養調査結果によると、40〜74歳の男性の2人に1人、女性では5人に1人がメタボリックシンドロームまたは予備群であると考えられ、その数は併せて1960万人に及ぶと推定されています。つまりこれだけのメタボ群・予備群がこれを放置すると、動脈硬化を惹き起こし、心筋梗塞・脳梗塞などの重篤な病気に至る可能性が極めて高いということです。恐ろしい数です。逆にいうと、これら1960万人のメタボ群・予備群が各々自分の内臓の脂肪を減らせば、心筋梗塞・脳梗塞へ進展する危険性が回避できるということなのです。すばらしい数です。
 国としては、内臓の脂肪を減らすだけで経済的に莫大な医療費を抑制することができますし、各々個人にとっても内臓の脂肪を減らすだけで、高血圧・糖尿病・高脂血症が改善され、心筋梗塞・脳梗塞などに罹患する危険性をグッと減らすことができるのです。内臓脂肪を減らすことで動脈硬化を防ぎ、10年・20年後にも健康でいられる・・・。実に素晴らしいことではないでしょうか。

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